空からスペクトラル(分光反射率)を測定する
ハイパースペクトル画像センサ(Hyper-Spectral Imager: HSI)

ドローン搭載用ハイパースペクトル画像センサを開発しました。
HSI本体、GNSS(GPS)受信機、リファレンス用天空光取り込み装置、電池、ドライブレコーダ等の一式の総重量は約750gであり、DJI社Inspire2を始めとする多くのドローンに搭載可能です(図1と図2)。

図1 DJI製 Inspire2に搭載したHSI
図1 DJI製 Inspire2に搭載したHSI
図2 PRODRONE製大型ドローンに搭載HSI
図2 PRODRONE製大型ドローンに搭載HSI

ミニ分光器

図3 浜松ホトニクス製 ミニ分光器(C12880MA) 大きさ:約20×13×10mm,
図3 浜松ホトニクス製 ミニ分光器(C12880MA) 大きさ:約20×13×10mm,

浜松ホトニクス製ミニ分光器(C12880MA)を搭載し、スペクトルは画素毎に同分光器で計測し、移動体上で正確なスペクトルが測定できるシステムです。(スペクトルカメラでは、バンド毎に1フレームの写真を作るため、移動体に搭載するとバンド毎に対象物の位置がずれ、対象物の正確な分光測定することは困難です。)

 

スイングミラー

図4 ブロック図
図4 ブロック図

ブロック図(図4)に記載のように、太陽光の地上からの反射光をレンズにより、16芯の光学ファイバー上に結像させ、光学ファイバーの反対面に前に設置したスイングミラーにより、スキャンさせる(刈り幅16画素)。同時に天空光のデータも収集しており、雲による天空光の変化があっても正確な分光反射率が得られます。ドローンの高度と対物レンズの組み合わせにより解像度を任意に決められ、解像度(1画素の大きさ)×16が刈り幅となります。

 

多くのドローンに搭載可能

図5 HSIとドライブレコーダ
図5 HSIとドライブレコーダ

図5に示したように、多くのドローンに搭載可能な様に設計してあります。また、ドライブレコーダ搭載を同時搭載するシステムとなっており、すぐにドローンの飛行ルートが判るシステムです。

 

観測波長帯は340~850nm

図6 HSI画像と観測されたスペクトル
図6 HSI画像と観測されたスペクトル

ミニ分光器(図3)により、観測波長帯は340~850nm、スペクトル分解能(半値幅)10nm、バンド数288観測されますが、後処理により、任意の波長刻みで再編成が可能です。340~850nmの間を1nm刻みで411バンドのデータにすることもできます。図6に、2018年12月に静岡県の野菜畑を観測したHSIデータについて、400nm~850nmの間について5nm毎の91バンドデータに編集して、R:650nm(赤)、G:800nm(NIR)、B:550nm(緑)に発色した画像,、および、この91バンドHSIデータから作成した野菜畑圃場でのスペクトル曲線を示しました。本センサにより、このように上空から正確なスペクトル計測ができるようになりました。

 

主な仕様

主な仕様は、表1の通りです。

表1 主な仕様
表1 主な仕様

 

視野角および瞬間視野角について

視野角および瞬間視野角について、表2に記載しました。

表2 視野角および瞬間視野角
表2 視野角および瞬間視野角

 

使用レンズの焦点距離

使用レンズの焦点距離毎に、ドローンの飛行高度と地表分解能(1画素の大きさ)、観測幅、ドローンの最大速度の関係は、表3の通りです。

表3 使用レンズの焦点距離毎の飛行高度。地表分解能、観測幅、ドローンの最大速との関係
表3 使用レンズの焦点距離毎の飛行高度。地表分解能、観測幅、ドローンの最大速との関係
このHSIを使用した観測および解析をお引き受けします。(現在、本HSIの販売はしておりません。)
製造元 (株)デープ・センシング・イニシアティブ https://www.dsi.jp/
〒213-0011
神奈川県川崎市高津区久本1-6-8
東京工業大学の特許 6525204  センシング装置及びプラットフォーム 2019.6.5を使用して作製います。