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ベトナムオフショア指南

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~アジアをベースにビジネスを
ベトナムでの会社設立手続きは日本と比べて大変? ベトナムのビジネス環境を多角的に読み解く サービスオフィスの原型「コスト&フィー」 業種と進出先を選ぶ
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~「日本企業」がハノイで事業運用
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人材活用術
人材教育をアイデア活用で ブリッジエンジニアの育成 人材を的確に運用するための3つのポイント 事業拠点に選ぶ国の基準~東南アジア各国の「気質」「風土」「言語」
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作業の自由度と明文化の関係 方位磁針の設定を誤るな 読む気になれないトリセツ≠マニュアル 「人間力」の日本VS.「マニュアル力」の欧米人
異文化間コミュニケーション  
異文化間コミュニケーションの法則 「コミュニケーション」=「和気合い合い」という誤解 ベトナムオフショアで直面した言葉の壁

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ベトナムオフショア指南


異文化間コミュニケーション

異文化間コミュニケーションという言葉をよく耳にします。大学の比較文化論の講座などでは、 「異文化間コミュニケーションを成立させるには、まず相手の生まれ育った精神風土や習慣、文 化などを理解したうえで、自分の考えていることを理解してもらえるような伝え方を工夫するこ とが大切」と講義されるのかもしれません。しかし、ビジネスの場ではそのような悠長なことを 言ってはいられません。ビジネスの場で求められるのは、業務上必要な事項を的確に相手に伝え ることです。とはいえ、それにもなんらかの言語を介します。このコーナーでは、ベトナムでオ フショアを行う場合の言語と、ビジネスの場におけるコミュニケーションとは何かについて述べ ていきたいと思います。


- ベトナムオフショアで直面した言葉の壁 -

意味不明な日本語~
「プロジェクトからの金額」「指示組織」とは?
 Update 2010.04.21

東京の日本人スタッフが作成した日本語文書の一例は、以下のようなものでした。

1.ベトナム国内の案件について
 ベトナム国内でDSIVが受注可能な業務リストを作成し、報告してください。
 報告項目は下記の通りです。
 1)案件名称
 2)案件発注者
 3)業務内容
 4)発注時期
 5)工期
 6)業務量 人/日
 7)発注金額

上記の文書を、当社のロジスタッフ(日越語通訳・翻訳スタッフ)がベトナム語に翻訳し、それを再度複数のロジスタッフが日本語訳。まるで伝言ゲームのように、初めに伝えた内容と比べてみようと試みました。 以下が、あるロジスタッフによる日本語文書です。

1.ベトナム国内のプロジェクト
 ベトナム国内でDSIVができる作業項目をリストアップし、知らせてください。
 報告事項は以下のどおりです。
 1)プロジェクト名称
 2)指示組織
 3)ビジネス―コンテント
 4)発注時間
 5)納期
 6)作業工数
 7)プロジェクトからの金額

ログでは、1.1)の「案件発注者」という言葉が、越後を経て「指示組織」という言葉になっています。この言葉からは、業務発注者=依頼者、クライアントという意味が思い浮かばず、奇異な印象を受けます。

なお、今回紹介した日本語文書は、英語の原文を翻訳したもので、英語表記も付与されていました。1.3)「業務内容」はbusiness content。しかしこの語が越語を経て「日本語訳」された結果、カタカナ表記の「ビジネスコンテント」となっています。要となる「業務内容」という言葉が、ベトナム語ではどう理解されているのか不明です。

1.7)の「プロジェクトからの金額」も意味不明です。この言葉だけでは、プロジェクトのコストなのか、発注金額なのかわかりません。

一つひとつの言葉の意味の取り違いをどうこう言っても解決にはつながりません。センテンスごとに文章を分解して、さらに単語単位でどの言葉がどの時点で、どう訳されてしまったのか把握すれば、翻訳者固有の欠点や悪いクセが明らかになります。これを指摘し、翻訳者の能力向上につなげることこそ、大切です。

危険なのは、「意味不明」な翻訳をそのままにして、「たぶん、こういう意味だろう」とあいまいな解釈のもとで業務を進行させてしまうこと。結果、大きな食い違いが発生するのは自明の理です。

日→越→日、翻訳の軌跡をたどる
 Update 2010.04.14

しかし業務においては、笑い話ではすまされません。日越語間のコミュニケーションギャップが、思わぬトラブルにつながりかねません。

当社の東京オフィスには「1つの指示ミスが100の手戻りを生む・・・」という主旨のポスターが貼ってあります。これは、指示内容への誤認識→伝達ミスによる成果品の手戻り発生への注意喚起を促しています。

もちろん、スローガンを掲げているだけでは、トラブルはなくなりません。

当社では、トラブルが発生したらその経過をたどり、原因を解明することを鉄則にしています。

そこで、一つの試みとして過去に一度、翻訳の品質をチェックするために「日越日翻訳のログをとり、どこで誤訳が発生しているのか」を検証する試みを行いました。

手戻り発生の原因が誤訳に尽きるというわけではありません。

手戻りをなくすには、その時々で視点を変えてある作業の過程をとことん追求し、不具合の要因をしらみつぶしになくしていくことです。そのひとつが、翻訳の品質チェックだったというわけです。

皮がキレイな美女と、夜の売人!?
 Update 2010.04.07

たとえば、日本では色白できめ細かな肌の女性を「肌がきれいな人」のように表現し、賛辞します。

しかしあるときのこと。日本人女性スタッフについて、日本語が堪能ではないベトナム人が、「皮がきれい」と表現したことがあります。その日本人女性スタッフは、色白できめ細かな肌の持ち主で、特にベトナム人男性スタッフに人気がありました。

確かに、辞書には「皮膚の表面=肌、皮」と書いてあるのでしょう。彼としては、最大限のほめ言葉だったのでしょうが、実際に日本語会話で使うと、奇異な表現となってしまいます。

またあるときは、ベトナム人女性スタッフが、縁日に出かけた時の様子を作文にして提出してくれました。そこには「…道の両側にたくさんの売人が並んでいました…」。いったいどんな怪しい界隈に出かけたのかと勘違いしてしまいそうですが、彼女としては売人=露店商を指したつもりだったのです。読んで、大笑いしました。

日越語翻訳の課題
 Update 2010.03.24

当社では、ハノイオフィスでCAD作業やIT開発を行っています。現場ではエンジニア経験のある人材を配置し、オペレーターに作業指示を出す管理者として活躍してもらっています。しかし業務内容に精通するエンジニア系の人材は、日本語が不得手です。ですから当社には作業指示者とオペレーターの間に、日本語通訳(Logistics=通称「ロジ」)を立てています。

ところが逆にロジのほうは、業務内容に関する知識があまりありません。そこで生じるのが、作業指示内容に関する誤認識にともなう誤指示です。日本語で出した指示が正しくベトナム語に訳されてオペレーターに伝わればよいのですが、必ずしもそうでない場合があるのです。

- 「コミュニケーション」=「和気合い合い」という誤解 -

家族とのコミュニケーションが、ジョブホッピング防止に
 Update 2010.03.18

昨今、よりよい待遇を求めて、いともたやすくこれまで務めていた会社を辞めて、別の会社へ職場換えする「ジョブホッピング」が増えています。しかし、ベトナム人にとって、両親や祖父母など目上の肉親の影響力はいまだ絶大。会社の、家族ぐるみの温かな対応に満足した両親や祖父母が「この会社は良い会社だ。一生懸命働くように」とアドバイスすることが、昨今頻発しているジョブホッピングへの防波堤になります。

業務上必要なコミュニケーションと気心を知りあうためのコミュニケーションはどちらも大切です。両者をうまく使い分け、業務効率をアップさせることが重要だと思います

ノミュニケーションとコミュニケーションの使い分けが重要
 Update 2010.03.12

もちろん、ノミュニケーションも効果的です。気心を知り合えば職場で仕事の相談をしやすくなり、業務上のコミュニケーションがスムーズに行われるようになるからです。 またベトナムでは、運動会や社員旅行などの社内行事に、家族に参加してもらうのも効果的です。ベトナムには、日本以上に家族を大切にする意識が根付いており、同じ会社に兄弟姉妹やいとこが勤めているケースも多くあります。社員とその家族が、楽しい体験を共有することで、会社との一体感が生まれます。

オフショアで生じるミスの原因がコミュニケーション不足
 Update 2010.03.09

オフショアの現場で起きるミスは、コミュニケーションに原因がある場合がほとんどです。 指示内容が的確でない、あるいは、指示内容が正確に伝わっていないというものです。

ベトナムオフショアの現場で使われる言語は日本語です。ミスを防ぐための対策には、ひとつには現地スタッフの日本語力を上げること。これには作業を担当する技術者に日本語を習得させるか、あるいは日本語能力にたける人材(通訳)業務訓練を施して仕事の内容を理解してもらい通訳・翻訳の能力を向上させるという方法があります。

もう一つの対策は「必要な事項をリストアップし、それを行うための手順や方法、また想定できるトラブルを示しながら、わかりやすい作業指示書を作成し、関係するスタッフに周知すること」です。

ノミュニケーションはコミュニケーションか?
 Update 2010.02.26

もちろん、「気心を知るため」にこれらを試みることは良いことです。しかし、オフショアの現場において、スムーズな業務進行のために必要な「コミュニケーション」とは、まったく意味が異なります。

たとえば、不良品が多く発生したとします。日本人の感覚であれば、落ち込んだ従業員とコミュニケーションを図ろうと、いわゆる「ノミュニケーション」に誘う場合が多いのではないでしょうか。飲み会の場で、失敗の話を持ち出し、ときにはこんこんと注意をしたり励ましたりするでしょう。アルコールが入れば、心のガードも多少はゆるみ、ふだんは心の奥にしまってあってなかなか口に出せなかったことを知る機会となり、思わぬ解決策が見つかることもあります。

日本人が「ノミュニケーション」を重視するのはそうやって、「本音の思い」をたがいに知り合うことで、実際の業務改善に具体的に結びつくと思うからです。

日本人のコミュニケーションの目的とは
 Update 2010.02.22

日本人が勘違いしていることのひとつに、「コミュニケーション」があります。こう言っても何のことやらさっぱりわからないかもしれません。

少し解説を加えます。

みなさんは「コミュニケーションを図る」「コミュニケーションが活発」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。

たとえば、どんな企業でも多かれ少なかれ新入社員とのコミュニケーションを図る・深める、という取り組みを行っていると思います。この「コミュニケーションを図る・深める」という文脈からどんな行為を想定しますか。「リクリエーションを通して」「飲みに誘う」「互いの趣味や私生活について話す」といったものではないでしょうか。

そうです。つまり、日本人が言う「コミュニケーションを図る」というのは、互いに「気心を知り、親近感をもつため」の試みであるといえるのです。

しかし、実のところこれは、国際ビジネスの現場においてコミュニケーションとはいいません。

- 異文化間コミュニケーションの法則 -

日本語訓練は、技術訓練同様にMust事項
 Update 2010.02.17

ベトナムに進出し、腰をすえて事業展開する覚悟ができたなら、現地の人材を雇用し、人材教育に取り組む必要があります。その際、日本語教育はMust事項のひとつになります。

幸い、ベトナム人は、言語習得力に優れているようです。長らく他国の支配下にあったという歴史的背景のもとで自然に醸成された「素質」のようなものがあるのかもしれません。

当社では、専属の日本語教師による日本語学習プログラムを行っています。また、業務に特化した日本語教材を作成し、効果的な教育訓練法を模索しながら社員教育を進めています。現在、就業前研修の一環として、さらには就業後も業務の合間やOJT形式でこうした日本語訓練を実施し、エンジニアを育成しています。

もしベトナムで事業を本格展開するにあたり、現地人スタッフ採用後の人材教育でサポートが必要となりましたら、喜んで当社のノウハウをアドバイスいたします。

「なんとなく通じる言語」は、現場では通用しない
 Update 2010.02.09

それでは「英語」はどうでしょうか。英語は、たいていどこの国でも大学卒程度の学歴のある人なら、学習した経験があります。話せばなんとなく通じるので、「共通のコミュニケーションツール」として成り立つと漠然と考えてしまいがちです。

しかし、それは間違いです。英語がネイティブの国やスリランカ、香港のように英語がもうひとつの公用語となっているような国なら、英語で問題ありません。しかし、英語が苦手な国においては、して欲しいことを的確に伝えるという、業務上の最低限必要なコミュニケーションさえ成り立ちません。

一方の国の言語を用いることで理解度はぐんと上がる
 Update 2010.02.02

もちろん、ネイティブの70%の英語力をもっているビジネスマンは多くありません。もっと低いケースも多いはずです。そうなれば、さらに双方の理解度は低くなります。

しかし、一方の人が、自国の言語を用いるとなると、状況は大きく変わります。たとえば、日本人とベトナム人が日本語を共通言語として、ベトナム人が70%日本語能力がある場合、双方の理解度は70%にアップします。なぜなら、日本人は言いたいことを、相手の理解の様子をみながら、相手のわかる言葉を選んで話すことができるからです。また、相手の日本語がおかしくても、相手が何を言おうとしているのかを、話の流れから理解したり、身振りや表情から推察することができるからです。

70×70=49%
 Update 2010.01.08

私は、異なる言語を有する2国間のコミュニケーションにおいて共通言語の選定には、70% ×70%=49%という数式を基本としています。 次の表を見てください。

相互理解度

現地事業所において日本とベトナムのスタッフがコミュニケーションをとる場合を例にとり ます。そのために用いる言語は、日本語、ベトナム語、さらに第3の言語として英語の3通りが 考えられます。

まず英語を媒介とするケースを考えてみます。通常、海外で仕事をする日本人ビジネスマン なら、70%程度は理解できるでしょう。70%とは、ある専門分野において自分が言いたいことを 実務上支障なく伝えられる程度を指します。もちろん、日本語のように同じ意味のことを説明す るのに幾通りもの表現ができるレベルではありません。

これに対し、ベトナムのスタッフも、70%は英語を理解できるとします。しかし、双方が70% だからといって、互いが理解できるのは70%ではありません。お互いが言いたいことが伝わる割 合は単純に49%になると考えています。一方が70%「伝える」能力があったとしても、相手がそ の70%をまるごと「理解できる」とは限らないからです。

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