ベトナムオフショア指南
- ベトナムでの会社設立手続きは日本と比べて大変? -
新天地で起業するという気概をもって
Update 09.07.15もし自力で申請手続きをとることに対して負担感がある、言葉の面からも現地業者に頼むのに困難を感じるということであれば、すでに日本から進出している企業や経験豊富なコンサルタントに相談するのが近道です。当社にご相談いただけば、必要書類の整備や申請に関する日本とベトナム両方の作業を支援します。これまで多くの外資系企業の登記を代行した弁護士をパートナーとしていますので、さまざまな懸案に対して適切なアドバイスをすることができます。
ビジネスを行ううえで、さまざまなハードルが伴うのは当たりまえのことです。一方で、それを回避するためのしかるべき方策もあるはずです。そのあたりをきちんとふまえ、噂や口コミを鵜呑みにせず、新規事業は必要最低限のコストでスタートさせたいもの。そして、起業家としての気概と貪欲さをもって、ビジネスチャンスをモノにしてください。

手間ヒマを惜しまず、まずは正攻法で
Update 09.07.13もう少し俯瞰して考えてみてください。行政に対して手続きをする際に手間が発生するのは、日本でも同じことです。担当者によって言うことがまちまちであったり、提出書類の些細なミスによって再提出を求められ、予想外の手間や時間がかったり。こうした経験は日本でも、事業運営に関わる手続きにおいてだれもが経験することではないでしょうか。ましてや、慣習の異なるベトナムで事業申請手続きをするとなれば、予想外のハードルは、ないほうがおかしいといえます。
平凡なアドバイスですが、ベトナムで法人設立をするなら、まずは、JETRO等信頼できる機関に照会し、情報を入手すること。そのうえで必要な書類を整えて万全の体制で申請手続きに進んでください。大切なのは、ベトナムはコネや裏金の社会…といった類の言葉に惑わされないこと。手間暇を惜しまず、正面から臨めばよいのです。
ただ、気をつけたいのは、現地の進出支援会社に手続きを依頼する場合です。当社の経験ですが、料金表はあるのですが「何かあったら、さらにプラスαがかかる」と言う業者があります。暗に「トラブルが生じた場合は、袖の下が必要になるのでその分は追加請求する」という意味です。こうした業者は要注意。実際には生じていなくても、手数料を請求してくることがあります。その根拠を問いただしても「裏のルートなので明らかに出来ない」と言われてしまえばそれまで。現地業者に依頼する場合は、慎重に相手を選ぶことが必要です。
当社は、初めにコンタクトした会社からは最低100万円+α必要だと言われました。あまりにも不透明な説明だったため、依頼するのを断りました。結局、現在も支援を受けている弁護士事務所の協力を得て何のトラブルもなく申請から登記までわずか3週間で会社設立。かかった費用はわずか$2,000(20万円)です。
「当局の対応」はコネと裏金次第…!?
Update 09.07.10巷ではベトナムの「お役所体質」に関する情報が流れ、現地の法人設立支援企業のなかには、それをことさらに誇張する業者があります。今回は、それらに対し我々外資事業体がとるべき姿勢について、考察したいと思います。
ベトナムはコネクションの世界、申請手続きをスムーズに行うにはアンオフィシャルな手数料は必須、窓口レベルの対応が担当者によってまちまち、昨日OKになった了解事項が今日になって理由も明らかでないまま翻される…etc。ライセンス申請手続きや、税務処理をする際のベトナム政府当局の対応に関して「だから、ややこしいし、なかなか手続きが進まないもの」という苦言とともに、こうした情報が流れています。
だからと言ってベトナム進出を困難ととらえるのはいささか性急です。
- ベトナムのビジネス環境を多角的に読み解く -
「ベトナムの将来性」に改めて向き合う
Update 09.07.03ベトナム政府は現在、周辺の新興国、さらには先進諸国と対等な経済関係を築くことを念頭に、エネルギー産業へのてこ入れ、教育環境の整備、労働環境の改善など将来の成長に向けた施策を積極的に打ち出しています。とくにこのほど承認された「IT人材育成マスタープラン」にはIT人材教育への投資が盛り込まれており、ITを国の産業の中心に据えていきたいというベトナムの姿勢が強く感じられます。
人的資源、インフラ、周辺国との経済関係などあらゆる面で変化が進行中のベトナム。現状分析もさることながら、将来性に着目することが重要になってくるでしょう。ベトナムを拠点に事業展開する場合に発生する問題点は何か、同じ問題を抱えている業種はほかにないか、経済政策に関し政府が取り組んでいることは何か…いま一度立ち止まって洗い出し、ベトナム当局がこれらに対応する政策を打ち出す可能性はないかなどを検討することが大切です。それによって「次の一手」が見えてくるかもしれません。
当社では、現地スタッフが新聞各紙ほか各種メディアによる報道を逐一把握しています。また、現地市場経済の動きを通し、詳細でホットな「ベトナム情報」を入手することができます。DSIをぜひご情報ソースとしてもご活用ください。
安価な労働力を見込んで売り上げアップを目指す、という近視眼的な目的からだけでは長期的な展開は見込めません。将来を見据えた視点から、足元のしっかりした進出を目指したいものです。
日進月歩で進化する通信環境を先読み
Update 09.07.01オフショアというビジネモデルを選択する場合にまず課題となるのが、通信環境です。いまでこそ、インターネットが発達し、世界各国とほとんどリアルタイムに音声だけではなくビジュアルでの情報伝達や多量のデータ通信ができるようになりました。
当社が発足したのは、2001年。すでにインターネットは普及していましたが、当時の通信スピードはかなり遅く、MB(メガバイト)単位でのデータ通信しかできませんでした。
紙図面を電子的にトレースしたり、文字を入力するデータ業務には常に「紙ベースの資料」のやりとりが伴います。ファクスという手段が一般的ですが、相手に送ることができる情報は制約されていました。
しかし、通信技術の革新は日進月歩で進み、通信環境は常に改善されます。インターネットを例にとれば、8年前は、解像度の低い写真でも写真を貼り込んだHPは動きが遅く、ページがきちんと表示されるのにいらいらして待っていました。現在では、動画がストレスなく見えるようにその情報伝達能力は飛躍的なスピードで発達しました。
当時まだ一般的ではなかった、世界各国のオフィス間でリアルタイムに映像を通してやりとりができるような技術(TV会議)も、いずれビジネスツールとして当たり前に利用されるようになるだろうと確信していました。
ビジュアルと音声の両方を瞬時に送受信できる情報環境が整えば、一度に受発信できる情報量がぐんと増え日本との距離が縮まります。そうなれば、日本の仕事を海外で生産するうえで一番のネックであるコミュニケーションが大幅に改善され、オフショアビジネスが一気にブレイクすることが十分に予想されます。
しかし、技術が整ってから、オフショアビジネスに参入したのでは、遅すぎます。そこで2006年には、TV会議が普及であろうことを想定して、オフショアの生産部隊を構築。いずれやってくるオフショア全盛時代に見合うように、ベトナムの生産体制を整えました。
予想通り、skypeが普及し、当社でも高額であった国際電話からskypeに乗り換えて活用するようになりました。現在では、国際会議ができるような高機能のテレビ電話も普及してきています。通信環境は、まさに予想した通りの進歩を遂げています。

- サービスオフィスの原型「コスト&フィー」 -
Update 09.06.29
オフショア開発の拠点には、私が働いたことのないベトナムを選びました。これには2つの大きな理由があります。
ベトナムでのオフショアをスタートさせた約8年前、当時の日本工営(NK)のハノイ営業所長からはベトナム人が日本人と似た気質であり、勤勉で手先が器用、学力が高く、特に理数系が得意であること、また将来的な経済成長のポテンシャル等の情報を得ました。「進出している日本企業では、社内で日本語でコミュニケーションをとっている会社もある」など、ベトナム人の言語能力の高さを示唆する情報もありました。
一方、オフィス賃料はバンコクなどよりも高く、国際電話の通信料金は、かなり割高でありインターネットの整備状況は遅れていました。英語が通じる人が少ないというデメリットもありました。
こうしたさまざまなメリット、デメリットを踏まえて最も評価したのは、人材面でのポテンシャルです。ベトナム人の特性は、データ系の作業にはぴったりです。そこで、「ぜひ優秀なベトナム人と仕事をしてみたい」と考えたのです。
さらには、このNKハノイ営業所長がNKの現地法人を「コスト&フィー」方式での使用を提案してくれたことが、ベトナムを拠点として決めたもう一つの理由です。
「コスト&フィー」は、欧米などでは昔から建設業などで採用されていた契約スタイルです。人件費、賃料、材料費など個々のコストを明確化し、かかった分にの報酬を上乗せして支払うという方式です。よく、会社は、小さく産んで大きく育てよといいます。最初に莫大な投資をして、事業がうまく回らず、コストばかりが雪だるま式に増えてしまうという事態を避けるための戒めの言葉です。コスト&フィーなら、当初は最低限のコストで、リスクは最小限に抑えて様子を見ながら事業を拡大していくことができます。社長となる私に経営者としての経験もなく、事業成功の可否も未知数であったDSIの黎明期には、ぴったりの方法でした。
ビジネスインフラはなるべく低コストで運用し、経験知と安定したビジネスネットワークを活用する…これが、海外における事業を成功に導くポイントだと思います。
さらに、ここでもうひとつ強調したいのが、何か事業を起こす場合に、近くに経験豊富な協力者がいることは何にも増して心強いという点です。定量的に、とくに異国の地において培われた人的ネットワークや経験知は、その国に対しての新参者にとっては何にも代えがたいものです。
このような経験を踏まえ、DSIでは、ベトナムで事業展開の一歩を踏み出そうと検討中の皆さんに経験則からできるサポートを惜しみなく提供し、何らかのお役に立てればと考えています。
当社のサービスオフィスもそのひとつ。オフィス、通信環境、各種セキュリティシステムなどをニーズに応じてご活用いただけるシステムです。これは、私自らが活用することによって事業をステップアップさせることのできた「コスト&フィー」方式を取り入れたサービスです。
その他、人材活用面でのアドバイス、現地カウンターパート紹介等さまざまな面でお役に立てると思います。ぜひ当社を「すぐ近くにいる経験豊富な協力者」としてご活用ください。
- 業種と進出先を選ぶ -
言語や国情など、あらゆる要素を比較検討
Update 09.06.22日本人が海外でビジネスをするうえで、検討する必要のあるポイントは次の6点だと思います。
①言葉
英語が通じるか、あるいは日本語が通じるか
②一般的国民気質
ラテン系or無口で内向的、攻撃的or穏やか、勤勉でコツコツor大ざっぱで芸術肌
③日本との距離
フライトは2~6時間以内にしたい
④国情
民族、宗教間対立など内乱の有無や、政権の安定性、隣国との関係等
⑤通信環境
インターネットの通信環境、電話料金等
⑥電力供給
供給が不安定で停電が頻繁に起こることはないか
私は、リストアップした国々について、それぞれのチェックポイントに対する長所と欠点を検討してみました。
フィリピンとスリランカは英語が通じるというメリットがあり、最有力候補でした。フィリピンは日本と最も近いので地理的条件は一番好ましい。ただ、国民気質は一般的にノリのよいラテン系。一気に盛り上がるのは得意だが、コツコツと継続的に根をつめて仕事をするのが概して不得手のようです。こうした気質は、データ化作業には向かないと判断しました。
スリランカは、現地のエンジニアやコンサルタントが、欧米の企業によってかなり鍛えられており、コツコツとした業務も嫌がらないので当社の目指す業務に最も適任だと考えていました。しかし、フライトが10時間以上となることと、内戦がよく勃発するのがマイナス要因でした。
タイは、国民の気質が概して穏やかで勤勉であることから、進出先として魅力はありました。ただ、IT系技術の潜在力という面では未知でした。
インドネシアは、農作地が広大で、資源が豊富にあり、恵まれた国土を有しています。おおらかで付き合いやすい国民性には惹かれましたが、データ化作業のようなコツコツと根をつめて行う仕事が向くかどうかは疑問でした。
経験知とバックアップの有無が重要ポイント
Update 09.06.22名古屋工業大学の3年次に在籍していたころ、一時、歴史小説を読みあさっていたことがあります。吉川英治の「宮本武蔵」に始まり、激動する幕末の日本で活躍した坂本竜馬を描いた司馬遼太郎の「竜馬がゆく」へ。さらに、明治期、とりわけ日露戦争時の日本を描いた「坂の上の雲」へと進むころには、いつしか海外に関わる仕事をしてみたい、と考えるようになりました。祖父が、中国との貿易に関係していたことや、地元和歌山の串本という地からは、ブラジル移民団に加わる人々が多かったのも「海外で仕事」と、発想するようになったことに無関係ではありません。
そこで就職先として選んだのが、日本工営(NK)でした。NKでは、約10年の間に7割近くを、インドネシア、タイ、フィリピン、ブラジル、スリランカに滞在し、ダムエンジニアとして多くのODA案件に関わりました。この経験が、現在のオフショアビジネスにもつながっています。
DSIは日本工営(NK)の企業内ベンチャーとして設立しました。オフショアを始めるにあたって、業種は、建設コンサルタント企業であるNKでの経験を生かし、建設図面に関わるデータ化サービスにをターゲットにしました。母体の業種に沿った業務なら、ハード、ソフト両面において支援を受けられるという大きなメリットがあり、知識、経験があるのでリスクと最低限に抑えられます。新たなサービスの展開は、経験知のあるデータ系分野が軌道に乗ってから検討すればよいと考えました。
拠点とする国を、どこに選ぶかというのも課題でした。自分にとってまったく未経験の土地では不安があります。旅行ならまだしも、ビジネスで進出するのですから思いがけない困難で右往左往したくありません。一方、行ったことがあるというだけの理由で選ぶには、あまりに安易すぎます。そこで、業務経験のある国、さらにはNKの駐在拠点がある国を対象に考え、地理的に日本に比較的近いアジアの国々…スリランカ、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアの5カ国をリストアップしました。




